アジア特許情報研究会は2008年4月に設立されました。 たった10年前のことですが、商用英語データベースの中国、台湾、韓国など東アジアの 特許情報の収録がまだ不充分な時代でした。中国や韓国の商用英語データベースに 公開特許は収録されていましたが、登録情報が追加されたのは2010年以降です。 台湾情報などはユーザーも少ないせいかASEANなどと同様、収録はずいぶん遅れま した。 現在でも台湾やASEANの情報を英語で収録しているデータベースも多くはありません。 そのような状況の中、特に新興国については各社とも手探りで情報を収集していました。 欧米特許調査やその研究は従前から存在する多くの研究会で活発に行われていました が、アジアや新興国の知財情報研究は、数年に1度ぐらいの頻度で研究テーマとして取り 上げられる程度でした。 そこで、知財制度や法律情報には疎い知財調査担当者が集まって、当初は東アジアの、 そしてASEANをはじめとする新興国のデータベースに特化した研究が始まりました。 アジア特許情報研究会では以下の3つのポリシーの基、研究を続けています。 ①他の研究会では実施していない「新規性・進歩性ある研究」をすること。 どの研究会でもあちこちで最新の話題を取り上げて重複した研究が行われがちです。 もちろん、最新情報のスキルをいち早く身につける、という点では歓迎できますが、 ふたを開けてみるとどこも似たような研究成果ということもあります。 各研究会とも研究成果は公表されませんので「重複研究」に気づくのは2,3年後です。 ②活動(ワーキング)内容は、外部発表(学会、論文等)することを原則とする。 研究内容は特許・論文と同様、先行技術があればそれを参照し、また、本研究会での 内容を公表することで他の研究会でさらにステップアップした研究をしていただけます。 ③プレゼンすることもスキルの1つとして未経験者優先で発表していただく。 メンバー各位は調査においては優秀なスキルを持ちながら、社内はもちろん社外で プレゼンする機会の少ない方も多い(特に調査担当者)。 プレゼン経験を積むことで、上司や同僚を如何に説得するかのスキルも身につける。 多くの知財情報研究会ではすばらしい研究がなされており、「へぇ~、そうなんだ」と 感心されられることも多い。 互いに研究内容を公表して切磋琢磨し、知財情報の研究が進められることを期待したい。 |